▲一般家庭では、和田玉を腰にぶらさげたり、家宝
として持つ人が多い。
人類は石よりもっと美しい玉石を発見し、主に農耕農具や武器、祭祀や簡単な装飾品に利用しました。
古書「端応図」や「尚書」の中には、
「黄帝の時、西王母が使いを遣わし、白い鹿に乗ってやってきて、黄帝に白い環の符環(めでたい印)を献上させ、
舜の時代にもまたやって来て、白い環を献上した」と記載されています。
また、楼蘭の遺跡に新石器時代に使った和田白玉で作られた石斧が見つかったり、仰龍文化、良渚文化の遺跡にも白玉を彫刻して作った祭祀器が発見されています。
和田玉は、人間と神霊界を結んで、万事めでたく順調であることを祈り災いから身を守ると考えられています。
現在、玉を身に付け、常に持ち続けることは、吉祥の言葉と図案、模様を通して吉祥を祈る共通の願いを反映したものであります。
吉祥を求めるのは古今人類の共通の願い。
人々が安定した生活に対する憧れであり、歴史的にみても長年の文化と経験によるものであることから、和田玉は貴重なものとして扱われています。
「玉記」の作者陳原心は、
「晴川閣で遊んでいる階から落ちたが幸なことに玉を作っていたので死ぬことはなかった」
剳大同「古玉辨」では、
「胡という左宮は川で玉を見つけ葉タバコ入れの袋につけていた。彼が家の棟上げをしていた時突然足を滑らし地面に落ちてしまった。しかし彼には少しも傷がなかったが腰につけていた玉は何箇所か割れていた」
また80才の老人が風呂に入って出る時に卒倒した。皆びっくりして老人を助け起こしたが老人は怪我がなかった。しかし左腕につけていた玉の腕輪が粉々に壊れた。」
このように話しが少しオーバーに表現した個所あると思われるが昔から人々は玉を大切にし、大変貴重なものであって玉を身につけることは光栄であることとされています。
玉は信頼できる守りとされ、幸運とめぐり合い護身にもなる可能性があると考えられており、玉が厄除けに役立っています。
少なくとも人々の共通の願いでもある平和と安心、さらに和やかな環境と雰囲気を作ると信じられています。
玉器は、古くは貴族身分、階級、財産の目安とされました。
玉は身分、階級の人に応じ、階級を混合しないため、色と質の良し悪しがはっきり厳密に区別されていました。
また、玉は身分と宮位の高さを示すものだけではなく、財産の量を他人に示すおおまかな基準となっていました。
少し前までは玉を持つ人は裕福な金持ちの出身であることを示し、一種財産地位を表す印だと考えられていましたが、現在は装飾品として広く普及しています。
中国では、古くから玉を食べると健康を保ち長寿になると考えていました。
玉を作った「琉漿玉液」「神仙玉液」「玉膏」等は、今でいう健康食品でその機能は「之を服すると長寿不老たる」と言われています。
李時珍の「本草網目」には玉の性質は甘くて「心肺を潤す」のが可能で「胃の中の熱を除ける」「喘息を止める」「渇きを止める」等の記載があり、玉で顔を磨けば滑らかになり、毛髪を鮮やかに潤すと伝えられています。