和田玉外皮色の本物・偽物の見分け方
和田玉の表面には一般的に色皮が付いています。
不法な商人は暴利を貪るために安価な山の材料の玉の形状を磨いて、表面には人工的に色を染めて質の良い和田玉として高値で売ることもあります。購入者は本物の和田玉を知らず、騙されて購入することもありますが、天然の和田玉の皮の色と人工的な皮の色は本質的な区別が出来ます。
本物の天然の外皮
天然の外皮は風化したものと鉄分浸透したものの2種類に分けられています。
●風化したものは一般的に黄色又は白色で裂け目に沿って帯状または団塊状、斑点状で不規則に内部にまで深く入り込んでいて、その色が過渡的に変化しているのがポイントです。
●鉄分の浸透による外皮は、酸化される程度によりその色が変化します。
黒→暗い赤→茶→黄→浅い黄色の順に変化し、またその濃淡の変化も段階的に見られ、黒色は斑点状で中心に現れることが多いです。
また鉄分の浸透は、裂け目に沿って糸状に分布し、次第に外に拡大し団塊状、斑点状を呈することもあります。
偽物の人工着色の外皮
染色は、植物で染色したものと、化学染色剤と強い酸処理して染色する2つ方法があります。
植物を使った染色は、比較的本物の外皮に似た色になり褪せにくいのが特徴です。
人工的に染色されたものは、色が単一で表面に浮いているように見えて、一般的に濃淡の変化が少なく、玉の中から外へ浸透するように色の変化「黒→暗い赤→茶→黄→浅い黄」のように段階的に変化する特徴がありません。また風化した様な天然の模様に染色している玉もありますが、玉石の模様と玉の中身の境界線がはっきりして、過渡的な変化が見られない事が人工で染色された特徴です。
和田玉の質の良し悪し
玉の透明度・細やかさで確かめる
①結晶粒子間の隙間が小さいと、粒子配列が均一に揃うため、透明度も良く、質がより細かく滑らかに見える。
②白玉の透角閃石は様々な集合体で形成されており、その配列が均一で光を通す透光性能が同じであれば光は揃って規律良く通過し玉の透明度も増し質も向上する。
③玉内部に存在する微小な亀裂は玉の質を下げる大きな原因となりり、微細亀裂が多いほど、玉の光に対し屈折の違いによって玉の透明度が悪くなり質が低下する。
油脂光沢を確かめる
白玉はある程度の油脂光沢があり、油脂感が強くしかも潤う様な細やかさと純白な玉は最高級品質となります。油脂光沢は、玉石の透角閃石の粒子が小さく緊密で密集し、しかも隙間やひび割れが存在しないことが重要とされています。
その玉が微細であること、透明度とその玉の光沢に左右され、 玉の顕微構造、すなわち結晶粒子サイズ、形態及び配列等によって決められことが多く、質・形状や、色、質と亀裂などの面からそれぞれ評価してから総合的に判断しその等級が決められています。
良い白玉は、質が細かく微密で色が明るく油脂性光沢があり、かつ白く均一で欠点が無く亀裂が無いことが重要となります。